【Archives】同世代インタビュー「木工作家として生きる。」

県内外でクラフトフェアに出店すると「おしゃれ」「かわいい」と評判の二人の作品。
見た目だけでなく、手で触れたときの感触もとても良く、ひとつひとつが丁寧に作り上げられています。
由利本荘市在住の木工作家 佐々木貴充さんと岡本雄さんお話をお伺いしました。

お二人とも由利本荘市大内地区在住。年齢も近く、ゆるりと刺激し合いつつも、互いを認め合う。そんな雰囲気を感じます。

佐々木さんは2012年、「fuuukei」を設立。
ふーっと風が通り抜けるような、自然と生活の中に馴染む商品をという意味が込められた店名です。
イスやテーブルなどの家具の製作を中心に、その端材からスプーンなどのカラトリーを製作しています。
木の温もりあふれる作品は市内外の雑貨屋さんで人気の商品となっています。

一方、岡本さんは2015年に現在の場所に移住したことを機に「木工舎つきのわ」の活動を始めました。
東北産の広葉樹を主な材料に、木の手触りと色合いを残したオイルフィニッシュ仕上げの家具や生活雑貨を製作しています。

車で5分ほどの距離に作業場を構えるお二人は、家具や生活用品など製作物も近いものが多いのですが、生み出された作品は見事に二人の個性があふれたものに仕上がるから不思議です。
やっぱり手づくりは面白いです。30歳という節目の前後に現在のスタイルでの作家活動を始めたお二人。
ともすれば同世代人にとっては「何もない」と捉えられがちなこの街で、木工作家として生きることを選択したお二人。
そんなお二人に今後のビジョンをお伺いしました。

「楽しく自分らしさのあるものを追求していきたい。将来は、木工を主とした雇用機会を創出したい」と佐々木さん。
「楽しく自分のペースで仕事をしつつ、支援学校の就職を受け入れることが出来るような仕組みを作りたい。最終目標は、海外で途上国への木工技術の支援員として働くこと」と岡本さん。
現在は自身の創作・製作に比重を置きつつも、木を扱う仕事に携わる人材を育てていきたいという志は、きっと地域の「木育」活動に繋がっていくことでしょう。

佐々木 貴充 ささき・たかみつ
fuuukei 代表(由利本荘市大内)
1982年生まれ 由利本荘市出身
2003年バンタンデザイン研究所 卒業
2012年 fuuukei 設立
日々の暮らしが「すこしだけ」楽しくなるデザイン
日々の暮らしに「すこしだけ」幸せな風が流れるプロダクト
日々の暮らしが楽しく、より充実した生活を生むことを目指す
岡本 雄おかもと・ゆう
木工舎つきのわ 代表(由利本荘市大内)
1984年生まれ 美郷町出身
2007年大阪芸術大学デザイン学科卒業
2015年 木工舎つきのわ として独立
2016年 男鹿市「里山のカフェににぎ」で個展を開催家具、器、カトラリーなど、東北産の広葉樹や自然素材のオイルにこだわり製作
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鳥海とライフ

「ここで生きる」は様々な偶然と選択で出来ている
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