【Archives】木の仕事の現場から「志村建設 株式会社」

秋田で、秋田の木材を使って家を建てる。
そんなシンプルな家づくりを続けている志村建設(株)。
志村専務に「秋田だから出来る家づくり」についてお伺いしました。

志村建設株式会社の志村定弘専務と初めてお会いしたのは2015年9月、由利本荘市が「木育」を掲げた最初のイベント「木育キャラバン」の会場でした。
「県産材を使った家づくり」というコーナーで、志村さんが秋田杉の特性を活かした住宅づくりの工法の紹介やその有用性などを説明して下さいました。
県産材の利用はまさに木育の基本中の基本。鳥海山木育推進センターを立ち上げちょうど一年を過ぎようとしていた私たちの活動を既に実践されている大先輩に出会えたような感覚で、とても興味深くお話しを聞かせていただきました。
この街で生まれ育ち、この街をすっかり愛してしまった私には、地元の木を使い、地元の職人さん達が建てる家、というコンセプトはとても魅力的に感じました。
近 年 、「 森 林 再 生 」、「 循 環型社会」、「サスティナブル住宅」という言葉が家づくりのキーワードになっており、社会全体が木材の有効性を再認識している風潮があります。
そんな中、志村建設では大正9年から、地域の特産である「秋田杉」を活用した家づくりを続けてきました。
「地元の職人が、地元の材を使って家をつくる」という、当たり前なようで難しい家づくりを、ずっと続けてきた工務店です。
私たちが暮らすこの地域はちょっと山の方を見渡すと杉の木だらけ。
春先は黄色い花粉が舞ってたりもしますが…(汗)。
秋田県は日本一の杉の備蓄量を誇るという事実が目の前にあります。
秋田杉には温もりや香りはもちろん、調湿効果、吸音性、熱伝導性、衝撃吸収能力など優れた特徴がたくさんあります。
そしてなんといってもリーズナブル。

「秋田は自然素材と優秀な職人・技術者に恵まれている。身近な資源である秋田杉を活用することで、山や水や里が生き、産業が活性化する」と志村さん。

施主の中には若い夫婦も多いそうで、「『自然が豊かな秋田で、生まれ育った秋田で生活し、子育てをしたい』という思いに応えるため、ここにしかない、ここでしか出来ない家を、これからも施主様やスタッフと一緒に考え、つくっていきたい」と語る志村さんの言葉からは家づくりに対する、真摯で真っ直ぐな姿勢が伝わってきます。
「家」という家族とともに長い時間を過ごす空間であればこそ、安心できる、納得できるものであるべき。
秋田杉という先人が遺してきた財産が、確かな職人の手でさらなる付加価値を加えられて生まれ変わる。
秋田で暮らし、秋田で家を建てることが、とても誇らしく思えます。

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