【Archives】木工職人インタビュー「生まれくるこどもたちへ。」

由利本荘市が行った「ウッドスタート宣言」の取り組みの一つとして、市内で生まれた子どもに地元の職人が地元の木で作った「木のおもちゃ」を贈る「誕生祝い品」制度を平成30年度から開始します。
贈呈される2種類のおもちゃを製作した「木楽工房和田良司さん」と「木工舎つきのわ岡本雄さん」に話を伺いました。

太田賢(以下「太田」) まず製作したおもちゃについて教えていただけますか?

和田良司さん(以下「和田」)米どころ由利本荘をイメージしたおむすび型の積み木で名前は「おむすびころりん」です。
さらに鳥海山をイメージした形でもあります。秋田杉本来の木目と色で、パズルのように遊ぶもよし、ままごとしてもよし、六角形の枠で音を出したり、遊び方は千差万別です。

岡本雄さん(以下「岡本」)市の木である「ケヤキ」を使用して、市の鳥である「キジ」をイメージしました。
名前は「よちよちとりっこキジ」です。角度を付けて取り付けた車輪でよちよち歩きを表現、胴体には小豆を入れてあるので、ベビーラトルとしても遊べます。
太田 製作の上でのご苦労や込めた思いなどありましたら教えてください。
和田 自分が普段の仕事でもよく加工している秋田杉を使用していますが、今回のような加工では柔らかくて難しいんです。
杉の赤身、白身と木目の美しさを活かせるように工夫しています。自分はトロの部分(境目)が好きだったりします(笑)。
岡本 「とり=キジ」のおもちゃを作りたいというイメージはありましたが、市産のケヤキを調達する難しさがありました。
このおもちゃについては、一本の木から一年分を製作したいと考えています。
一つの木から生まれたおもちゃを、同じ年に生まれた子どもたちが持つという絆のようなものも込めたいと思っています。
生まれてくる子どもたちが触れて遊ぶことをイメージして作られた二つの作品。
どちらも作り手の思いと愛情が込められた優しく美しい作品です。
和田 良司
木楽工房 代表(由利本荘市小人町)
1960 年 旧本荘市生まれ14 歳でギターを自作由利工業高校卒業後、大工の道へ
2000 年頃から手作り木工品をクラフト市などに出品
2009 年「木楽工房」として本格的に製作活動開始現在は本業の大工を続ける傍ら、木工品の製作を行う
NPO 法人 由利本荘木育推進協会 副理事長
岡本 雄
木工舎つきのわ 代表(由利本荘市大内)
1984 秋田県美郷町生まれ
2007 大阪芸術大学デザイン学科卒業 岐阜県高山市の家具工場に勤務
2012 アフリカンドラムに出会い、ギニア共和国に渡航
2014 岩手県の木工所に勤務
2015 秋田県由利本荘市に移り、独立
※誕生祝い品は由利本荘市で平成30年4月2日以降に生まれた子どもに贈呈されます。二つの作品から一つをお選びいただきます。おむすびころりん(右)よちよちとりっこ キジ(左)
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