薪林舎 -Fire Device-│鳥海とライフ

薪林舎 -Fire Device-/麻木 聡
(秋田県秋田市)

秋田市から男鹿方面に国道7号を北上していると、道路沿いで火が燃えている…と書くとなんだか物騒だが、よくみるとそれは焚き火。しかも、かなりおしゃれで格好いい。
そこは「Fire Device」という名前のアウトドアショップ。運営するのは合同会社薪林舎の麻木聡(あさきさとし)さん。
薪ストーブの設置やメンテナンスを行う傍ら、自分の好きを突き詰めたアウトドアショップを運営している。
今回は、そんな麻木さんにお話を伺いました。
国道7号沿いにあるFire Deviceの入り口で

自然の中でこそ、本物の自然を実感することができる

麻木さんは1976年生まれ。
高校・大学時代は山岳部で、あたり前のように自然の中で過ごし、それが本来の人間の姿だと思っていたとのこと。
「高校総体のとき、鳥海山での登山競技が雨で中止になり、5合目祓川から法体の滝まで徒歩で移動するという行程に変更になりました。土砂降りの雨の中の徒歩移動は強く印象に残っています」
「登山では県北の森吉、白神がホームとなりますが、もちろん鳥海山も何度も登り、思い出深い山です。大自然の中に身を置くことで、自然から教わり、感じ入るものがある。自然の中でこそ、本物の自然を実感することができると思っています」
店内には所狭しと店主こだわりのギアが並ぶ

 

自分らしく、人間らしく
大学卒業後、就職し仕事を続ける中で、「人間らしく生きるとはどういうことだろう」という思いに駆られる。
そして、自分らしい生き方そのものを模索する中で、30歳を前に退職を決意し、奥さんの実家の工務店で大工修行を行う道を選ぶことになる。
踏み出したことで繋がった出会い・ご縁から、約10年前に「薪林舎(しんりんしゃ)」を起ち上げ、現在も薪ストーブの販売・設置とメンテナンスをメイン業務として行っている。
最初はなかなかストーブの現物を仕入れることさえできず、店舗には展示品が何もない状態からのスタート。それでも麻木さんの丁寧な仕事ぶりが認められ、ストーブ設置の取り扱いが増えていき、その結果、メンテナンス業務も増えていくことに。
そして、薪ストーブ、焚き火、ランタン…と商品の幅は広がり、現在ではアウトドアショップ「FireDevice」として、店舗内には様々なアウトドアグッズが所狭しと並んでいる。
圧巻の斧の種類、ランタンの種類…、正直見たことない商品がずらり。ギア好きにはたまらないワクワク空間となっている。

 



自分らしい生き方、自分らしい自然との関わり方を模索し続け、オンリーワンのスタイルを導き出してきた麻木さん。
それでもまだまだ模索の日々は続く。
「ストーブは設置もメンテナンスも夏場が忙しい。薪も冬が来る前に準備しなくてはいけない。ただ、薪ストーブだけで、今後も続けていけるとは思っていない。これまでの人とのつながり・ご縁の中で自分ができることは何かを常に考えている」


一歩を踏み出したからこそ、また次の一歩を自分の足で踏み出せる。
そんな立ち位置に自分を置くこと。
誰もが自分の生き方に悩み模索する。
麻木さんは「自身」と「自然との関わり」と「仕事」のバランスをいい具合にコントロールしながら、次の一歩を踏み出そうとしているようです。
 

Interview / 松本 学、Write, Edit & Photograph / 齋藤 渉

Fire Device 公式HP https://fire-device.jp/
Instagram、Facebookも!

>鳥海とライフ

鳥海とライフ

「ここで生きる」は様々な偶然と選択で出来ている
ここで生まれたから、ここが好きだから、ここしか知らないから、ここは居心地がいいから…

「生きること」は「暮らすこと」
「暮らすこと」は「なりわいをつくること」
そしてここにしかない「遊び」と「癒やし」を楽しむ
「ここで生きる」ことを選んだ人々の能動的ライフ
さまざまな鳥海とライフを発信します